これは何?
The Alfee の坂崎幸之助さんがパーソナリティをされている FM NACK5 の K's Transmission という番組内に「有限会社坂崎商店」というコーナーがあります。
そのコーナーに寄せられるカメラ関係の質問に、坂崎さんは毎回すごく的確な回答をされています。
質問の中には真面目に答えるとかなり面倒な物もあるのですが、坂崎さんの回答は質問者の意図とか番組コーナーの尺とかを考えて、うまくかいつまんで絶妙にまとめています。
そこにあえて野暮な補足をしながら聞くのが個人的に楽しかったので、何となくブログの記事にしてみようという趣旨です。(なので「野暮な補足をする」)
Q1:インスタに載せていたネガは今でも現像できるのですか? フィルムの段階では消費期限があますが、ネガもありますか?
インスタの投稿はこちら。日本カメラの原稿に使っていたフィルムが、日本カメラの会社解散に伴って送り返してくれたとのこと
坂崎さんの回答:
僕の小さいころのネガがあるくらいですから…。ただ、カラーはちょっと色が変わってきちゃう。(インスタに乗っているフィルムは)ネガはほとんどないポジです。ポジは分からないけどポジの方が残っている(長持ちする)気がするな…。
まず、現像済みのネガから紙焼きを作るのは「現像」ではなく「プリント」なのですが…
フィルム >>(現像処理)>> 現像済みフィルム >> (プリント) >> 紙焼き
まあ同時プリントだと、その辺区別つかないですよね
フィルム >> (「現像」に出す) >> 現像済みフィルム&紙焼き
という風に見えますわね。
現像済みフィルムの耐久性はフィルムの種類により…
- 白黒ネガフィルム
- 白黒フィルムは色素が銀なので非常に長持ちします。ネガだけでなくプリントもめっちゃ長持ちです。
- カラーネガフィルム
- カラーフィルムは色素が比較的退色しやすいです。ネガだけでなくプリントも退色します。
- カラーポジフィルム
- 内式フィルム
- 外式フィルム
- 外式フィルムは内式フィルムより長持ちと言われています。
検索してみたら「銀塩プリント材料とその画像保存性」という論文がありました
技術の進歩でカラープリントも次第に長持ちするようになっている事がわかります。
あと、古い写真フィルムはフィルムベースが酢酸セルロースなので、ここが劣化してしまって使えなくなってしまう事があるそうです(ビネガーシンドロームといいます)
現像済みのフィルムは冷暗所保存がいいんじゃないかと。(とかいいつつ、私も昔撮った現像済みフィルムは実家に野積みになってますが)
Q2: 会社の物置からリコーフレックス3というカメラが出てきました。使えるかな?
坂崎さんの回答:
リコーフレックスは私もいくつか持ってます。時代別に。前玉がギアになっていて、そこが固まってしまうことが多いから難しいかも
リコーはホームページにフィルムカメラ時代の全機種解説を残している珍しいメーカーです(あとは Cannon かな)
赤窓式のカメラなので120フィルムを使えば今でも撮影できると思われます。よく似たサイズの220フィルムは裏紙がないので使えません。装填が難しいので、やったことがある人と一緒にやるといいのではないかと。


こういうの。リコーフレックス、シャッター速度が 1/100 までしかないらしいので、低感度のフィルムを入れた方が良いかも。
Q3:ポジとネガは何が違いますか?
坂崎さんの回答:(すみませんテープ起こし間に合わず radiko から消えてしまったので記憶に頼って抄録します)
ネガフィルムは写り具合を後から修正が効きます。ポジフィルムは画質がいいのかな? ジャケット写真とかの撮影はたいていポジでした。そのまま見られるから。
私もフィルムで写真撮ってた時はポジフィルムに憧れがありましたw 今から考えると全部ネガでとっておいた方が、あとで修正が効いてよかったかもですね。ポジ高いし。
ちなみに写真技法の歴史をさかのぼると、一番最初のダゲレオタイプはポジ(陽画)の写真技法でした
*ダゲレオタイプ - Wikipedia
そのあと、ネガ(陰画)からプリントをたくさん作れるカロタイプが発明されました